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COVID-19感染後の“ブレイン・フォグ”について


COVID-19感染では急性期に混乱や意識の変動を認め、その後の遂行機能の障害を残すことがあり、“ブレイン・フォグ”と呼ばれています。


現在も詳しい原因は分かっていませんが、今回は脳の組織を調べて細胞の様子から、“ブレイン・フォグ”の原因を探ろうとした研究をご紹介します。


2019年コロナウイルス感染症における脳血管変化を評価する


ジョンズ・ホプキンズ大学病院で治療され、亡くなった症例5人の脳組織が調べられました。


年齢などの条件を揃えた、他の原因で亡くなった例と組織変化を比較しました。


結果として、以下の内容が示されました。

①COVID-19感染で亡くなった症例では、脳組織の血管内皮に通常では認められない、巨核細胞(細胞の中心部分である核が非常に大きい細胞)を認めた。

②他の原因による死亡では、低酸素症があった場合でも、同様の巨核細胞は認められなかった。


つまり、“COVID-19感染では、脳の血管に通常では認められない細胞を認め、これは他の低酸素症一般に認められる変化ではない”と考えられました。


少数例の検討で、これから何かの結論が得られるわけではありませんが、COVID-19感染で生じる“ブレイン・フォグ”の背景に、血管内に出現する通常では認められない細胞の関与している可能性が示されていました。



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