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COVID-19感染後の認知障害について


昨日は、COVID-19感染後に生じる遂行機能障害“ブレイン・フォグ”の原因について、脳の血管に現れる核の巨大な細胞についてお伝えしました。


“ブレイン・フォグ”と呼ばれる症状以外にも、COVID-19感染後には様々な認知機能の変化が生じることが報告されています。


今回は、COVID-19感染後の認知機能変化について、比較的若い年代で領域ごとに頻度を調べた研究をご紹介します。


COVID-19感染後の患者における認知機能評価


COVID-19感染後(過去に認知機能障害なし)の740人(38~59歳、63%が女性)が対象となりました。


入院経験者、外来患者、救急受診者について、認知機能の領域ごとに認知機能の検査を行いました。


結果として、以下の内容が示されました。

①機能低下を認めた主な領域として、処理速度18%、遂行機能16%、言語流暢性15%、意味流暢性20%、記憶符号化24%、記憶想起23%がありました。

②入院経験者で外来患者よりも低下の頻度が多かった領域として、注意障害2.8倍、遂行機能1.8倍、意味流暢性3.0倍、記憶符号化2.3倍、記憶想起2.2倍がありました。


つまり、“COVID-19感染では、感染後にも比較的高い頻度で認知機能障害を残し、処理速度や流暢性・記憶の領域で出現しやすい”と言えそうです。


通常の呼吸器感染症よりも、神経領域における後遺症の頻度・重症度が高い可能性があり、感染後のケアにも注意が必要であると思われました。

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