スクリーン・タイム(テレビやゲーム等のスクリーンと接する時間)が多いことが、子どもの精神的健康(発達障害の傾向を含む)に影響を与えることが以前から指摘されています。
今回は、特に発達早期(1歳から2歳)にかけて、テレビやビデオを見ることや親との相互的な遊びが少ないことが発達障害を思わせる症状の出現とどのように関連しているのかを調べた研究をご紹介します。
発達早期における社会的/メディア経験と、自閉症スペクトラム様症状との関連
調査の開始時で1歳の2152人(男児1099人)が調査の対象となりました。
結果として以下の内容が示されました。
①1歳時点でテレビをみるかどうかが2歳の時の自閉症スペクトラム様症状に関連していました(出現頻度4.2%増加)
②1歳時点で親と良く遊んでいると2歳時点での自閉症スペクトラム様症状が少なくなっていました(ー8.9%)。
「自閉症スペクトラム障害」の診断を満たす頻度では明らかな差は生じていませんでしたが、M-CHAT:Modified Checklist for Autism in Toddlers という指標で見た自閉症スペクトラムを思わせる症状では上記のような違いを生じていました。
両親の活動は家庭により様々で、子どもと遊ぶ時間がとれない家庭も多いと思われますが、発達障害の観点からは、ビデオやゲームを子育ての援助に使う時間はできるだけ少ない方が望ましいようです。
#発達障害