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アパシー(失感情)は前頭側頭型認知症(FTD)発症の前兆か?


喜怒哀楽などの感情の変化が極端に低下した状態を“アパシー(失感情)”と表現することがあります。


認知症の経過中に出現することもあり、今回は前頭側頭型認知症(脳細胞の変性が前方の部位で進む傾向のある認知症)の中心的な症状が出現する前(前駆期)にアパシーが出現する可能性について調べた研究をご紹介します。


遺伝素因のある前頭側頭型認知症におけるアパシー(失感情)が認知機能低下を予測するか、または脳の構造変化によって増悪するか


遺伝的な前頭側頭型認知症になり易い素因(MAPT, GRN or C9orf72 と呼ばれる部位の遺伝子変異)があり、まだ認知能力低下が出現していない304人が研究の対象となりました。


上記の対象者について、アパシー、認知能力、脳(灰白質)の体積をを2年間調べました。


結果として、遺伝的素因がある場合には、アパシーが後の認知能力低下を予測すること、アパシーの程度は脳の前頭葉、前帯状皮質の萎縮と関連していました。


アパシーを定量することは認知能力の評価より困難と感じますが、高齢者の感情変化が少なく、無気力となってきた場合には、認知能力の低下や脳の構造的変化にも注意が必要と言えそうです。


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