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アメリカでの発達障害の診断時期・人種による違い


自閉スペクトラム症や注意欠陥多動障害・学習障害等の発達障害に関しては、できるだけ早い時期に診断を受け・早期の療育につなげることが重要と言われています。


今回は、アメリカにおける発達障害の診断時期と人種による違いについて調べた研究をご紹介します。


アメリカにおける公的または私的保険情報を用いた神経発達障害診断の調査


アメリカ全土における公的または私的保険データを用いた研究で、2000~2015年の出生児、公的保険200万人、私的保険130万人が対象となりました。


診断名として、神経発達障害、自閉症スペクトラム障害、注意欠陥多動障害、学習障害、会話あるいは言語障害、発達性協調運動障害、知的障害、行動障害について、データの分析を行いました。


結果として、以下の内容が示されました。

①8歳までに公的保険対象の23.9%、私的保険対象の11.0%の児が発達障害関連の診断名を受けていました(例として公的/ 私的の順にあげると、自閉症スペクトラム障害について1.6%/ 1.3%、注意欠陥多動障害について14.5%/ 5.8%、学習障害1.2%/ 0.6%でした)。

②男児のほうが、女児よりも割合が多くなっていました(1つ以上発達障害関連の診断がついた割合は公的保険では男児30.7% vs 女児16.7%)。

③人種では白人の診断が最も多くなっていました(公的保険で、白人30.2%、アジア系9.1%、黒人23.0%、ヒスパニック15.4%)。


つまり、“発達障害関連の診断名が出る時期は保険の種類や人種間によってかなり異なる”と言えそうです。


どの保険を選ぶか、人種による違いについても、背景として適切な評価の時期や教育の機会など、社会経済的要因が影響している可能性が高いと思われました。

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