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うつに対するパンデミックの影響


コロナウイルスによるパンデミックの影響が、うつ症状に現れているのではないかと懸念されていますが、実際どの程度の影響が出現しているのでしょうか?


今回は、アメリカにおける大規模な調査を通して、パンデミックの精神的影響を調べた調査についてご紹介します。


COVOD-19による継続的うつ症状


18歳以上の男女について、2020年4月(1441人)と2021年3~4月(1161人)の2回、パンデミックによる生活上のストレスがどのように精神状態に影響を与えているのかを調べました。


CLIMB(COVID-19 and Life Stressors Impact on Mental Health and Well-being study)という調査の一部で、うつ症状の尺度としてPHQ-9(Patient Health Questionnaire-9)が用いられました。


結果として以下の内容が明らかになりました。

①継続的なうつ症状の出現率は27.8%(2020年)→32.8%(2021年)と上昇しました。

②主な症状の背景として、低収入、未婚、パンデミック関連の多様なストレスがあげられました。

③低収入と高収入を比較した場合のうつ症状オッズ比は2.3倍(2020年)→7.0倍(2021年)と増大していました。


つまり、“パンデミックによりうつ症状を経験する人の割合は増えていて、背景の一つとして収入低下の影響が大きくなっている”可能性が示されました。


うつ症状そのものの治療も必要と思われますが、より根本的な生活背景として経済的な状況の回復が望まれる結果でした。

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