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アメリカにおける自殺率の変化(COVID-19感染拡大との関連)


COVID-19のパンデミックに伴って生じた失業や経済的危機、生活の不安定さ、娯楽の減少、家庭内葛藤の増加等の要素を考えると、2020年にはそれまでの年に比べて自殺が増加したのではないかと予想されます。


実際のところ、今まで判明している統計からどのような傾向を認めるのか、アメリカの自殺率の変動をみてみましょう。


仮発表にみる自殺率の月計と人口統計学的側面での変動


アメリカにおける自殺率は2003年から2018年まで増加の一途をたどって、2019年にはわずかに減少(2%)の変化を示していました。


これが、感染拡大の影響で2020年には反転するのではないかと懸念されていましたが、現在まで得られている統計によれば、事実は予想と異なる方向を示しているようです。


主な傾向をまとめると以下のようになります。

①アメリカにおいて2020年には4万6000人の自殺があり、これは2019年の4万7500人よりも3%低く、2019年の4万8300人よりも5%低くなっていた。

②月計でみたところ、特に大きな低下を示していたのは2020年4月で、これはCOVID-19感染による死亡がピークを迎えた時期である。(前年同月に比較して14%の低下)


つまり、現在までに入手された統計では“COVID-19感染によるネガティブな影響から予測される傾向とは異なり、実際には自殺率は減少している”ことを示しています。


実際に生命が危険にさらされると自殺衝動が抑制されるという変化が、COVID-19感染拡大でも生じている可能性も考えられました。

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