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アルコール離脱時の高血圧について



アルコール依存症の治療のために断酒が行われることがあります。


体質や普段の飲酒量にもよりますが、精神的に不安定になり意識障害や精神症状の出現する「せん妄」と呼ばれる病態や体の震え・多量の発汗等、さまざまな身体症状が出現することがあります。


その中でも、あまり知られてはいませんが、生命に関わる身体症状として異常な高血圧を認めることがあります。


今回は、このようなアルコール離脱時の高血圧に関して、共通する病態や有効な治療法を見出すためのシステマティックレビュー(系統的文献調査)をご紹介します。


アルコール離脱における高血圧緊急症と救急対応


当初、検索の結果、531の文献が得られましたが、古い年代のものや目的との関連性等により、最終的には17の研究が分析対象として選ばれました。


全体として、望ましい治療を検討するにはデータが不足しており、それぞれ個別に対処を検討するしかなさそうです(一般的な降圧薬等による対処や精神症状の影響が考えられるときはそれを落ち着ける処方等が考えられそうです)。


背景としては、元来高血圧を来す合併症のある場合で、離脱の24時間以内に治療抵抗性の血圧上昇を生じている場合を多く認めました。


まずは、特に高血圧を来す基礎疾患がある場合にはアルコール離脱の際に高血圧の緊急症があり得ること、脳卒中等の重篤な病態への移行を防ぐために、早期に高血圧の原因疾患や精神症状も踏まえた個別の対応をとることが必要であると考えられました。



#アルコール依存症 #高血圧

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