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アルツハイマー病と前頭側頭型認知症を大脳白質病変で見分けられるか?


特定の方式の画像で高信号として観察できる大脳白質病変: white matter hyperintensities (以下、WMH)は、脳の虚血性変化(血管の詰まり等)を反映すると言われています。


今回は、WMHがアルツハイマー病(AD)と行動障害型の前頭側頭型認知症(bvFTD)という2つの変性疾患を見分けるためにも使えないか調べた研究をご紹介します。


アルツハイマー病と行動障害型前頭側頭型認知症における大脳白質病変の臨床的・生物学的関連


129 人の認知症罹患者(64人の bvFTD、65人の ADを含む) と66人の比較対照としての健常者が研究に参加しました。


MRI画像検査と神経心理学的検査を施行し、実施可能な場合には遺伝子検査や病理検査を行いました。


WMHが認められる大きさと血管性病変のリスク、病状の重さについても調査しました。


結果として以下の内容が示されました。

①bvFTDの方が、ADや健常者よりもWMHが大きい。

②bvFTD の中では、病状が重いほどWMHが大きく、血管病変のリスクとは関連がありませんでした。


他にも、WMHについてADとbvFTD の相違が示唆されており、全体としてbvFTD とADの違いをWMHの観点から見分けられる可能性を推定させる結果となっていました。


通常、虚血性変化の反映とみられるWMHですが、変性の領域によっても相違を認め、重症度に応じた変化をみとめる画像所見であることが示されていました。

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