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認知症の免疫関連バイオマーカー


認知症のバイオマーカー(生物学的な指標)を知ることは、正確な診断や病態の客観的な評価・治療法の開発につながります。


今回は、遺伝学的な手法(メンデルランダム化:Mendelian Randomization)を用いて、免疫や血液-脳関門(Blood Brain Barrier: BBB)に関連した領域でのバイオマーカーを見出そうとした研究をご紹介します。


免疫機能や血液-脳関門領域のバイオマーカー分析で分かる認知症における自己免疫関与の証拠


免疫機能や血液-脳関門に関連する43,000のバイオマーカーについて、メンデルランダム化を行い、アルツハイマー病を始めとする認知症を来す5つの変性疾患について、因果関係の推定を行おうとしました。


関連の見つかったバイオマーカーの遺伝的背景を用いて、多遺伝子スコア(遺伝子型から病気のなり易さを推定するスコア)を作成しました。


結果として、以下の内容が示されました。

①126のバイオマーカーが、脳の変性疾患と関連しており、中でも8のバイオマーカーが、アルツハイマー病・血管性認知症・認知能力低下に関連していました。

②上記126のバイオマーカーを用いて作成した多遺伝子スコアは、パーキンソン病を除いた認知機能低下をもたらす変性疾患や自己免疫疾患のリスクと明らかな関連を示していました。


つまり、“認知機能低下をもたらす疾患の一部と自己免疫疾患との関連を示すバイオマーカー(生物学的指標)が存在するかもしれない”と言えそうです。


バイオマーカーの探索により、認知症をもたらす疾患の背景やリスク評価の方法について期待が持てる内容でした。



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