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インターネットを介した社交不安障害の行動療法


社交不安障害は、比較的若い年代から発症することが多く、対人関係や社会的場面での強い緊張を主な症状(発生困難、声や手の震え、多量の汗等の身体症状を伴うこともあります)とします。


海外においても、直接セラピストが行う行動療法などのセラピーは高額で、さらにセラピストの数も少なく、アクセスが限定されています。


今回は、社交不安障害のインターネットを介した行動療法が、受容と共感を主な要素とする支持的療法と比較して有効か調べた研究をご紹介します。


子どもや思春期の社交不安障害に対する、セラピストが指導するインターネットを介した行動療法と、インターネットを介した支持的療法の効果比較


スウェーデンにおける10~17歳を対象とした研究で、社交不安障害を主な診断とする103人(平均14.1歳、79人が女性)が研究の対象となりました。


行動療法も支持的療法もインターネットを介して提供され、本人への10のモジュール(セラピーの単位)で構成されており、5の保護者向けモジュール、3回のセラピストとのセッションが含まれています。


概ね半数ずつを行動療法と支持的療法に分けて、治療終了から3ヶ月後の評価尺度:The Clinician Severity Rating (0~8点で4点以上が社交不安障害)で比較しました。


結果として、行動療法の方が社交不安障害の改善が大きくなっていました。

具体的には、上記の尺度で

行動療法について、最初5.06→3ヶ月後3.96

支持的療法について、最初4.94→3ヶ月後4.48



つまり、インターネットを介した方法でも“社交不安障害に特化した行動療法を行うほうが、一般的な心理的支えを行うよりも効果が高いかもしれない”ということです。


やや効果の出方が微妙かもしれませんが、1点の差が大きな尺度なので、臨床的な実感を伴う可能性はあると思われました。

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