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パンデミックの環境要因による脳の変化


新型コロナウィルス(SARS-CoV-2)感染症による脳の機能異常について、様々な脳の画像所見変化を含めて、神経学的な変化が示されてきました。


今回は、非感染者に限定して、パンデミック前後の脳の変化について調べた研究をご紹介します。


パンデミック脳: COVID-19パンデミック期間における非感染者の神経の炎症


今回の研究とは無関係の目的で集められた57人の検査データと、感染拡大による2ヶ月間のロックダウン後に集められた非感染者15人分のデータを比較し、パンデミックによる環境要因の脳に対する影響を調べました。


結果として、以下のことが示されました。

①脳における炎症マーカーであるトランスロケータ・プロテイン(TSPO)とミオイノシトールがロックダウン以前と比べて上昇していました。

②血清学的にも炎症マーカーであるインターロイキン16や単球走化性タンパク質-1が上昇していました。

③特に気分変動や精神的疲労感の強さが海馬、身体的疲労が頭頂間溝や楔前部の炎症マーカー上昇と関連していました。


つまり、“ウィルスに感染していなくてもロックダウンの環境による影響により、神経の炎症が起こり、気分変動や疲労感などの影響が出るかもしれない”と言えそうです。


環境要因のみでも神経の炎症を起こし、精神症状が起こる可能性が示されていました。

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