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ベンゾジアゼピン中止と死亡率


◎要約:『長期に服用していたベンゾジアゼピン類を中止した場合、その後の死亡率や自殺企図等が僅かだが上昇するかもしれない』





抗不安薬や睡眠薬として使用されている薬剤に「ベンゾジアゼピン系」と言われる種類の薬(共通の化学的構造を持っている薬剤の仲間)があります。


特に最近は、健忘や依存性などのリスクが強調され、その使用を控えるように勧められています。


今回は、長期にわたってベンゾジアゼピン系を使用していた場合、中止によってどのような影響があるのかを調べた研究をご紹介します。


Benzodiazepine Discontinuation and Mortality Among Patients Receiving Long-Term Benzodiazepine Therapy

ベンゾジアゼピン服用中で長期に安定していた患者における、ベンゾジアゼピン中止と死亡率


長期にベンゾジアゼピンを服用した合計353,576人が対象となり、そのうち213,011人(女性64.1%、平均62.2歳)はオピオイドの使用なし、140,565人(女性65.3%、平均61.1歳)はオピオイドを使用していました。


別の薬剤(オピオイド)の使用がある場合とない場合で影響が異なるのではないかと予想し、その2つの場合を分けて死亡率や自殺・自傷等への影響を調べています。


結果として、以下の内容が示されました。


・オピオイドの使用なしの場合、ベンゾジアゼピン類の中止によって死亡率が2.1%上昇し、これは1.6倍のリスクに相当しました。


・オピオイドの使用ありの場合、ベンゾジアゼピン類の中止によって死亡率が2.4%上昇し、これは1.6倍のリスクに相当しました。


・その他、薬剤の中止があった場合には、過量服薬、自殺企図、希死念慮、救急受診も増加していました。




中止後、12ヶ月では上記のような結果でしたが、より長期で考えると様々な点でメリットが大きくなる可能性も考えられました。

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