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ホルモン療法薬が小児性愛(ペドフィリア)に効く?


法的な問題や被害者の心情に関するデリケートな内容を含みますが、性的倒錯傾向が病的なレベルまで至った患者さんが、自分の欲望を制御できずに苦しんでいることは事実のようです。


実際には行動に移していない場合であっても、常に想像に苦しめられる状態が続き、日常生活に支障を来すことも多く、そのような欲求と抗う人たちが適切に助けを得ることができれば、ご本人にとっても、社会にとっても利益が大きいと思われます。


今回は、有効な取り組みの少ない領域である小児性愛に対して、有効かもしれない薬物療法についてご紹介します。


ゴナドトロピン放出ホルモン拮抗薬の小児性愛障害に対する効果


スウェーデンにおける研究で、自分の性的欲求に悩み、電話相談を行った52人の男性が対象となりました。


デガレリクスという前立腺がんの治療に用いられるホルモン療法薬を用いるグループと偽薬のグループを比較しました。


治療開始から2週で、性的虐待のリスクを測定する指標(0~15点)が、デガレリクスのグループ:7.4⇒4.4、偽薬のグループ:7.8⇒6.6と、デガレリクスの方が1.8だけ多く低下してしました。このような有効性は、第10週においても(領域は限定的ですが)維持されていました。


行動療法以外に有効な方法が乏しい領域において、今回のような二重盲検による信頼性の高い治療法のデータが示されたことで、今後、薬物治療の選択肢が増えることが期待されます。


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