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不登校に対する“多家族療法(Multifamily Therapy)”の効果


海外で摂食障害等の治療として、複数の家族を含んだグループセラピーである“多家族療法(Multifamily Therapy 以下MFTと表記)”が行われることがあります。


今回は、フランスにおいて、不登校に対してMFTを行った効果や参加者の感想について調べた研究をご紹介します。


不登校の青年に対する多家族療法


不登校の青年6人と親9人に対して、MFTの影響を知るため、15回の半構造化面接を行い、分析には解釈的現象学的分析(IPA)の方法が用いられました。


結果として、以下の内容が示されました。

①学校は苦痛、システムの麻痺、社会からの阻害の源泉となっていました。

②家族は痛みを伴う感情と不安を訴えました。

③本人からの感想として、MFTは自己への信頼を増し、集団での体験を可能にしていました。

④親からの感想として、MFTを受けて、偏見や罪の意識からの救いが得られました。また、子どもの苦しみに気づき、洞察が得られるようになりました。そして、家族内のコミュニケーションが増え、感情の表出が行えるようになりました。


つまり、“不登校に対する多家族療法は、本人や家族にとって自信を増し、ネガティブな感情の軽減やコミュニケーションの活性化を可能とするかもしれない”と言えそうです。


現在でも、親のみのコミュニティ等はありますが、本人も交えた複数の家族が同時にコミュニケーションを行うことで独自の効果を認める可能性を感じました。


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