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両親の年齢と子どものADHD


以前から父親の高齢と自閉症スペクトラム障害の関連については指摘されていますが、今回は両親の年齢とADHDの関連について調べた研究をご紹介します。


両親の年齢と注意欠陥多動障害(ADHD)のリスク


フィンランドにおける研究で1991年~2005年に生まれたADHDのある10,409人が調査の対象となりました。


結果に影響しそうな様々条件(両親の精神疾患、社会経済的状態、婚姻状態、母親の喫煙など)について調整を行った結果、以下の内容が示されました。

①父親が20歳以下の場合、25~30歳であった場合に比べて、ADHDのリスクが1.5倍

②母親が20歳以下の場合、25~30歳であった場合に比べて、ADHDのリスクが1.4倍

以上のことから見ると、両親が若いことは何らかのかたちでADHD発症と関連しているように思われます。


両親の若年は生物学的(遺伝学的)には不利な点がないように思われるのですが、想定可能な環境要因を調整した上で、上記のような結果が出たということは、若年であることの生物学的なリスクがあるか、調整しきれていない影響要因(交絡因子)が存在するのかもしれません。


一口に「発達障害」と言っても、多くの異なる特性を症候群としてまとめたグループ分けが多く存在し、その生物学的なリスクも多様なので、両親の年齢についても一概に述べることが難しいように思われました。


#発達障害 #ADHD

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