top of page

元来持っている“不安の感受性”で、強迫性障害の治療効果を予測できるか?


過剰に危険を感じる傾向について、不安感受性:Anxiety sensitivity (AS)と呼ぶことがあります。


今回は、このASについて強迫性障害の症状や治療効果との関連を調べた研究をご紹介します。


強迫性障害における治療の結果を予測する“不安感受性”について



強迫性障害に関して、認知行動療法や暴露療法(エクスポジャー)が行われることがありますが、その有効性には個人によって大きな差があります。


今回の研究は、その有効性を左右する要因として、本人が元々持っている不安感受性(AS)が影響しているのではないかという仮定に基づいています。


主な診断名が強迫性障害である187人が研究の対象となりました。


治療を受ける前の強迫性症状の程度、集中的な認知行動療法を受けた結果と、ASの尺度との関連を調べました。


結果として以下の内容が示されました。

①認知行動療法前の、強迫性障害の程度はASが大きいほど強くなっていました。

②認知行動療法後の有効性は、(最初の症状の程度は調整した後でも)ASが大きいほど少なくなっていました。


つまり、不安に対して個人が元来持っている感受性(AS)が高いほど、強迫性障害は重症化し易く、認知行動療法の効果が少ない傾向がありそうです。


疾患の基礎となっている傾向を把握して治療方針の選択を行う重要性を感じました。






閲覧数:139回0件のコメント

最新記事

すべて表示
bottom of page