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入院が必要だった不登校では精神的負荷の条件が多い


不登校の対応として、精神的な合併症があった場合でも自宅での療養が選択される場合が多いと思われますが、時には重度のうつや強迫症、ゲーム依存症等で、入院治療が選択されることがあります。


今回は、ベルギーの研究で、入院を要した不登校の場合について調べた内容をご紹介します。


“不安不登校(Anxious School Refusal:以下ASR)”での入院患者


過去の症例を振り返るタイプの研究で、1996~2019年に小児病棟に入院した442人が調査の対象となりました


結果として、以下の内容が示されました。

①入院した子ども16%にASRを認めました(約70%が男性)。

②家族や両親の条件として、家族分離56.3%、深刻な争い27%、父親の音信不通25.3%がASRと関連していました。

②両親の精神的疾患として比較的多いものとして、出産関連の精神疾患46.5%、父親の精神疾患既往歴28.2%がありました。

③学校の困難については、同年代他者との困難46.5%、いじめ26.7%、学習上の困難36.6%、転校や転居19.7%となっていました。

④診断としては気分障害や適応障害が多かった。


つまり、“入院が必要な不登校では、家族の問題や精神疾患などの背景、学校における困難があることが確認された”ということです。


概ね予想された内容ではありましたが、改めて不登校を本人だけではなく、環境の問題として捉える必要性が確認されました。

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