◎要約:『卒中や心筋梗塞を発症した場合に、(特に重症の卒中で)家族の精神状態悪化のリスクが増加する可能性がある』
重篤な身体的疾患(がんや脳卒中、心筋梗塞など)を経験した場合に、本人のみではなく、その家族の精神状態にも影響を与えることが予測されます。
今回は、卒中や心筋梗塞を経験した本人の家族について、うつ病や不安等の精神的影響を調べた研究をご紹介します。
Mental Health Conditions in Partners and Adult Children of Stroke Survivors
卒中経験者の配偶者や子どもの精神状態
デンマークにおける研究で、全国の疾患登録(2004~2021年)を元に調査が行われ、卒中、心筋梗塞を発症した本人の家族190万人以上が対象となりました。
結果として、以下の内容が示されました。
・卒中を経験した本人の家族(特に配偶者)で精神状態の悪化(自傷や自殺を含む)しやすい傾向を認めました。
・重症の卒中を経験した場合の方が、配偶者のうつ病のリスクが増加する傾向がありました。
・心筋梗塞でも、卒中に比較して軽度ですが、同様の傾向を認めました。
重篤な身体疾患を発症した本人のみではなく、その家族を精神的に支える必要性を感じさせる内容でした。