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厳格な血圧コントロールは認知症の画像的な指標を改善するのか?


今までに、収縮期血圧を120mmHg以下とするような比較的厳格な血圧コントロールをしたほうが、認知能力の低下を予防できるのではないかという指摘がありました(わずかの差であり、統計的に有意ではありませんでした Effect of Intensive vs Standard Blood Pressure Control on Probable Dementia)。


今回は、このような血圧管理が、画像的に認知症の指標とされる脳体積等で、良い影響をもたらすのか調べた研究をご紹介します。


血圧の厳格コントロール 対 通常コントロールで比較するMRI画像のアルツハイマー病尺度


高血圧を伴う673人(平均67.3歳 そのうち454人が4年後の検査も受けた)を収縮期血圧を140mmHg以下とする通常コントロールと120mmHg以下とする厳格なコントロールに振り分け、画像上の変化を調べました。


以下の内容が示されました。

①厳格なコントロールの方がわずかに(アルツハイマー病の進行で減少する)海馬の体積が、通常コントロールよりも減少していました。

②その他の部位の萎縮(体積減少)や血流などには違いを認めませんでした。


つまり、厳格なコントロールの方が少しだけ認知症評価において不利な影響を認めましたが、大きな差異ではなく、全体として血圧コントロールによる差はありませんでした。


今回の研究では、血圧コントロールが認知能力に与える影響についてはっきりとした結果は得られませんでした。

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