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大麻の使用と自殺関連事象は関連するか?


自殺関連事象(希死念慮、自殺の計画、自殺企図、自殺)の背景として、様々な精神状態や物質関連障害、例としてうつ病(状態)、アルコール依存症、摂食障害等との関連が指摘されてきました。


今回は、比較的恒常的な精神状態への影響が少ないと考えられている(考えられてきた)大麻に関して、その頻度の高い使用と自殺関連事象との関連を調べた研究をご紹介します。


自殺関連事象の傾向と大麻使用(性別やうつ状態との関連)


アメリカの大規模な物質使用と健康に関する調査(the National Surveys on Drug Use and Health)に基づく研究で、調査に参加した18~34歳までの281,650人が対象となっています。


前年の大麻使用と気分の状態、性別、うつ病(状態)の有無と、自殺関連事象(希死念慮、計画、企図、自殺)の関連性を調べています。


結果として、大麻の使用頻度が高い場合に、自殺関連事象が多い傾向を認めました。(例として、うつのない場合で、大麻の使用障害の有無で比較した自殺関連事象の割合は、女性で13.9% vs 3.5%、男性で9.9% vs 3.0%となっていました)


しかし、この結果については、論文中の議論でも触れられているように、

①相互に影響しあっている因果関係である可能性(つまり、大麻を使用したから自殺をしたくなる場合と、自殺をしたい気分だから大麻を使用したくなる場合がある)。

②うつ病(状態)以外にも様々な背景となる要因(共通に持っている原因となる真の影響因子)が存在する可能性

が考えられます。


研究結果の「関連がある」という場合には、このように、因果関係をどのように考えるか、共通の要因がないのか等を検討した上で慎重に解釈を行う必要があると感じられる内容でした。


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