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妊娠中のADHD治療薬使用による胎児への影響


昨日は比較的若い年代の女性についてADHD治療薬の使用が大きく増加していることを紹介しました。


妊娠中の使用による胎児への影響について懸念されるところですが、ADHD治療薬の安全性に関しては、依然としてはっきりしたことは言えない状況と思われます。


今回は、今まで報告されてきた内容から、比較的規模の大きな研究についてご紹介します。


ADHD治療薬を妊娠中に使用した場合における周産期の健康への影響


スウェーデンの出産登録を用いた研究で、2006~2014年に出生した964,734人の児が対象となっています。


結果として以下の内容が示されました。

①妊娠中にADHD治療薬を使用した場合には、出産した児のNICU(集中治療室)への入室が必要となる割合が、(薬剤を全く使用したことのない母からの出産と比較して)1.5倍になっていた。

②発生した健康への影響の内容としては、けいれん等の中枢神経系の症状(1.9倍)、早期産(1.3倍)で、先天性の形成異常や死亡率への影響はありませんでした。


つまり、妊娠中におけるADHD治療薬使用は、出産する児の健康に影響があり、それは中枢神経系や出産の時期に関する軽度の影響として現れることが多い、と言えそうです。


このような範囲の影響とADHDの治療を行うことによるメリットの、どちらを優先するかは個別に判断が必要な内容であると思われました。

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