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妊娠中の抗てんかん薬は成長に大きな影響を及ぼさない?


妊娠中の向精神薬の使用については、精神症状悪化のリスクを検討しながら可能な限り減量や中止が検討されます。


特に抗てんかん薬については、その後の子どもの成長(精神発達)に影響を与えるのではないかという議論があります。


今回は、妊娠中の抗てんかん薬の使用が子どもの発達にどのような影響を与えるのか、2歳時の検査の結果で検討した研究をご紹介します。


2歳の認知機能でみた妊娠中の抗てんかん薬の影響


てんかんに罹患した母が妊娠中に抗てんかん薬を使用した子ども292人と、比較対象としての健常な母から出生した子ども155人が研究の対象となりました。


精神や身体発達の尺度: Bayley Scales of Infant and Toddler Development, Third Edition (BSID-III)で2歳時の言語、運動、認知、社会性/感情、一般的適応状態について調べました。


結果として以下の内容が示されました。

①どの領域においても抗てんかん薬の使用・不使用で発達に明らかな差はありませんでした。

②得られた資料を用いた2次的な分析では、妊娠末期の高用量の抗てんかん薬使用が、運動や一般的適応状態の低下と関連していました。



つまり、“大まかに言って最近の抗てんかん薬を用いた場合(今回研究対象となった子どもの母はラモトリギンやレベチラセタムといった比較的新しいタイプの使用が大部分を占めていました)、抗てんかん薬の妊娠中の使用に関して(妊娠末期まで高用量でない場合は)子どもの成長に大きな影響を及ぼさない”可能性が示されました。


影響の大きさについて、用量や抗てんかん薬の種類に関する検討を要する内容であると思われました。

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