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子どもの慢性疼痛に有効な療法(大まかな療法ごとの違い)


痛みの中には原因がはっきりしない場合や、治療に抵抗性の場合があり、そのような慢性に持続する強い痛みは生活に大きな影響を与えることが知られています。


今回は、子どもの慢性疼痛について、大まかに薬物療法・物理療法・心理療法に分け、その有効性を調べた研究(複数研究の統合:メタアナリシス)をご紹介します。


子どもの慢性疼痛に対する薬物療法・物理療法・心理療法の有効性と安全性


ランダム化比較試験や対照を設定した観察研究を含んで、薬物療法34本(参加者4091人)、物理療法25本(参加者1470人)、心理療法63本(5025人)が分析の対象となりました。


それらの研究から、痛みの強さ・生活の質・身体的機能・役割機能・感情機能・睡眠・副作用の要素を抜き出して、調べました。


結果として、以下の内容が示されました。

①身体的機能を改善していたのは、物理療法と心理療法だけでした。

②どの療法も、生活の質・役割機能・感情機能・睡眠について、明らかな有効性を示していませんでした。

③最も有効性の証拠が強かったのは、薬物療法・物理療法と心理療法を併用する方法でした。


つまり、“子どもの慢性疼痛のうち効果のある領域は主として身体機能に限定され、薬物・物理療法+心理療法が有効である可能性が高い”と言えそうです。


薬物・物理・心理療法という分け方が非常に大まか過ぎて、具体性を欠きますが、少なくとも何らかの心理的アプローチを追加するのが良さそうだと考えられました。

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