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幼少期の感情制御と摂食障害


神経性食思不振症(拒食症)等の摂食障害では、衝動性が高くなり感情をコントールしにくいことが経験されます。


今回は、この点に関して、幼少期からの感情コントロールの問題と食思不振症とがどのように関連しているのかを調べた研究をご紹介します。


感情制御の成長に伴う変化と食思不振症(拒食症)の関連


イギリスの大規模な調査 the Millennium Cohort Studyに基づく研究で、15,896人 (51.0%が男性、84.5%白人)が分析の対象となりました。


親のレポートに基づく3、5、7歳の感情コントロールの状態と14歳時点の食思不振症の関連を調べました。


結果として、以下の内容が示されました。

①3歳時点の感情コントロールの困難と食思不振症とは関連していませんでした。

②その後の、感情コロールの改善が乏しい場合には食思不振症の発症が多くなっていました。(ある事象の起こり易さを示す目安、オッズ比1.45)


つまり、“幼年期の感情コントロールの難しさ自体は影響しないが、その後も感情コントロールのスキルが改善しないことは食思不振症につながるかもしれない”ということです。


今回は摂食障害の観点からの経過でしたが、幼少期の感情コントロールの問題はその後の精神状態に大きな影響を及ぼすと考えられました。

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