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感情表出や視線を調べることで自閉症スペクトラム障害の早期診断がより正確にできるかもしれない


自閉症スペクトラム障害(ASD)においては、アイコンタクトが難しい等、視線の用い方に特徴があることが知られています。


今回は、1歳時点での感情表出や視線の用い方を調べる課題で、2歳までのASD診断の予測が行えるのか調べた研究をご紹介します。


幼児の感情表出課題課題で感情・視線の反応を調べることで自閉症スペクトラム障害の予測を行う


兄弟姉妹にASDを認める(ハイリスクグループ)60人と認めない(ローリスクグループ)21人を対象とし、1歳で感情を惹起する課題を行いました。


この課題では、椅子に座った状況で、ビデオ(ベイビー・アインシュタイン:海外の幼児向け番組)やシャボン玉を吹いてみせる等、注意や感情を喚起し、感情表出や視線の用い方を調べています。


1歳・1歳半の時点でのこの課題の結果と養育者が記入した質問票の結果が、どのくらい2歳時点でのASD診断を予測できるのか調べました。


結果として、以下の内容が示されました。

①ハイリスクの場合は課題に対するネガティブな感情表出が多く、感情を喚起する対象に視線を向ける時間が短くなっていました。

②感情表出の課題はその後のASD診断を予測していましたが、両親からの質問票の結果は関連が明らかではありませんでした。


つまり、“発達早期に行う感情表出の課題で感情や視線の使い方を調べることは、養育者記入の質問票よりもその後の診断を正しく予測する可能性がある”と言えそうです。


一般的には、質問票の方が簡便で、広く用いられていますが、早期診断の重要性を考えると何らかの課題による客観的評価を導入するべきなのかもしれません。

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