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抗うつ薬による認知症関連物質の減少


アルツハイマー病の原因物質と言われるアミロイドβについて、セロトニンの機能が保たれている方が濃度が少なくなるのではないかと指摘されてきました。


今回は、昨年の論文ですが、抗うつ薬(エスシタロプラム)の使用とアミロイドβの脊髄液中の濃度との関連を調べた論文をご紹介します。


エスシタロプラムの投与用量・期間と健常な高齢者における脊髄液中アミロイドβ濃度


認知機能低下のない高齢者114人が研究の対象となりました。


エスシタロプラム20mg(1日の用量)、2週間/エスシタロプラム20mg、8週間/エスシタロプラム30mg、8週間/偽薬のグループに振り分けました。


上記のグループについて投与前後の脊髄液中におけるアミロイドβ濃度を測定し、個人の中で変化の割合によって効果を評価しました。


結果として以下の内容が示されました。

①全体としてエスシタロプラムの投与を行ったグループでは、偽薬に比較してアミロイド濃度が低下していました。

②元々のアミロイド濃度が高い場合には効果が少なくなっていました。


つまり、病態として進行していないアミロイド濃度が低い段階では、抗うつ薬によりセロトニンの働きを高めることで、一定の予防効果が得られるかもしれない、と考えられました。

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