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睡眠制限はうつ病に有効なのか?


うつ症状に対して、睡眠制限による治療が有効であるという話は以前からあります。


睡眠をしっかりとることが大切と言われることの多い、うつ病の治療で“睡眠制限”を行うのは逆説的で、奇妙に思われるかもしれません。


しかし、病院やクリニックで実際に治療の一環として行われることが少なくても、睡眠制限によって一時的にでもうつ症状が改善する現象は良く知られています。


今回は、睡眠制限のうつ症状に対する有効性について、多くの研究の結果をまとめた内容(メタ・アナリシス)をご紹介します。


急速睡眠制限の抗うつ効果に関するメタ・アナリシス


分析の基準を満たした66の研究が対象となりました。


全部で1593人を含んだ治療効果に関する結果はおよそ50%の有効性を示すものでした(30%以上の症状軽減が認められた場合を“有効”と判定)。


これは昔から指摘されていることではありますが、睡眠制限による抗うつ効果はごく短期に限られるという特徴が改めて示されました。


また、完全に睡眠をとらない方法と部分的に制限する方法では大きな差を認めず、やや双極性障害の要素のある場合のほうが効果が高いのではないか(証拠としては弱い)と示唆されています。


睡眠制限のような特殊な方法を徹底して行うことは、治療効果が短期間であることもあり、臨床の場面では考えにくいのですが、人間の生理的なしくみの一つとして知っておくことは、何らかの治療のヒントになる可能性があるように思われました。


#うつ病

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