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神経因性疼痛に対する運動野刺激の効果


慢性的に続く神経の障害(原因不明も含む)による痛みについて“神経因性疼痛(neuropathic pain)”という言葉が使われることがあります。


通常の鎮痛薬などの効果が少なく、激しい痛みが継続するため、日常生活への支障が大きいことが知られています。


今回は、植込み式電極による運動野刺激について、神経因性疼痛に対する効果を調べた研究をご紹介します。


慢性の神経因性疼痛に対する運動野刺激の効果


痛みが強く(痛み尺度numerical pain rating scaleで6点以上)、通常の治療では効果のない18人が研究の対象となりました。


運動野刺激と偽刺激とに振り分け、3ヶ月間の経過を観察しました。


結果として、以下の内容が示されました。

①「効果あり」を30%以上の痛み軽減として定義した時、効果があったのは47.2~68.5%でした。

②効果のあった場合の多くは、顔面疼痛・幻肢痛・複合性局所疼痛症候群(CRPS)、効果がなかった場合には脳卒中後遺症や腕神経叢損傷を多く認めました。


つまり、“脳内に電極を埋め込み運動野を刺激する方法は、他の治療が効かない場合でも半分近く有効である可能性がある”と言えそうです。


二重盲検のランダム化試験ですが、少数での結果であり、有効性に関しては今後のより多数での検証が必要であると思われました。

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