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統合失調症では早い年代で認知症が診断される


統合失調症では遂行機能の低下を認めることがありますが、認知症のような顕著な記憶障害等は基本的にはありません(少なくとも主な症状ではありません)。


しかし、年齢を重ねるにしたがって、平均よりも早期に認知機能の低下を認めることも昔から指摘されています。


今回は、実際のところ統合失調症ではどのくらい早く認知症の診断が下されるのか調べた研究をご紹介します。


統合失調症に罹患した高齢者における年代ごとの認知症有病率と発症率


2007~2017年にわたり、66歳以上の約800万人が調査の対象となりました。


このうち、7万4000人は統合失調症に罹患しており790万人は重い精神疾患の無い人達でした。


結果として以下の内容が示されました。

①66歳における統合失調症罹患者の認知症有病率は27.9%、同年代の精神疾患の無い場合は1.3%でした(上記の統合失調症罹患者の認知症有病率は、精神疾患のない場合の88歳に相当しました)。

②80歳までに統合失調症罹患者の認知症有病率は70.2%に達し、精神疾患のない場合は11.3%でした。


つまり、統合失調症に罹患している場合、60歳代後半には1/4以上の人が認知症の診断を受け、これは通常の場合よりも20年程度早い時期になるということになります。


統合失調症に罹患している場合には、長期にわたってのケア、特に早期に出現する可能性のある認知能力低下についても準備が必要であると思われました。

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