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統合失調症では炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病)が増える


様々な精神疾患(うつ病・不安障害・認知症等)と腸内環境との関連性が指摘されてきました。


今回は、統合失調症で炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病)が増えるのか全国規模の統計で調べた研究をご紹介します。


統合失調症と炎症性腸疾患の発症リスクの関連


台湾における全国規模の研究で、統合失調症に罹患した約12万人と比較対照としての健常者約46万人が研究の対象となりました。


結果として、以下の内容が示されました。

①統合失調症に罹患している場合には炎症性腸疾患の発症率が高くなっていました(統合失調症1.14%/健常0.25%)。

②相対的なリスクの目安であるハザード比は、3.28倍となっていました。また、発症年齢は統合失調症ではより早くなっていました(統合失調症46.8歳/健常55.3歳)。


つまり、“統合失調症では、潰瘍性大腸炎やクローン病になる可能性が通常よりも3倍程度高くなるかもしれない”ということです。


統合失調症の経過中に腹部症状が出現した場合には、通常よりも高い可能性として炎症性腸疾患を鑑別疾患としてあげる必要性を感じました。

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