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統合失調症で現れる運動失調と脳の形態的変化


統合失調症で出現する抗精神病薬投与後の運動失調は、パーキンソン病類似の症状を呈し、薬剤性パーキンソン症候群と呼ばれることもあります。


今回、統合失調症で出現する運動失調には、脳の形態学的変化の背景もあるのではないかという内容の研究をご紹介します。


統合失調症におけるパーキンソン症候群の神経発達的兆候


比較対象としてとしての健常者20人、パーキンソン症候群を伴った統合失調症38人、パーキンソン症状のない統合失調症35人が研究の対象となりました。


上記のようなグループの脳を特殊な画像検査を用いて調べてみると、パーキンソン症候群を伴った統合失調症には、他の2つのグループとは異なった脳の形態学的特徴があることが分かりました。


例として、パーキンソン症候群を伴う統合失調症のグループでは、パーキンソン症候群がない場合と比較して、左側の補足運動野とよばれる領域のシワの複雑さが低下していたり、中心後溝と呼ばれる溝のような構造が浅くなっている等、要するに少し脳が“のっぺり”した感じになっていました。


このパーキンソン症候群を伴う統合失調症における部分的“のっぺり”が、何によってもたらされるのかは不明ですが、パーキンソン症候群が起こるしくみを読み解く上で、注目されるべき形態変化であると思われました。

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