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統合失調症の症状と遺伝的傾向は関連するのか?


多くの原因が考えられる疾患の、なりやすさを検討するときに、多くの遺伝子を元にした「多遺伝子スコア」というものを算出することがあります。


今回は、統合失調症のなりやすさをしめす多遺伝子スコアが、統合失調症の症状と関連しているのかを調べた研究をご紹介します。


統合失調症の多遺伝子による傾向、症状の分布、認知能力の関連


イギリスの全国から集積したデータを元にした研究で、1,220人(817人男性、平均43.1歳)を対象としています。


大まかには多くの遺伝子から計算される統合失調症のやりやすさ(多遺伝子スコア)と症状の性質(幻覚・妄想などの陽性症状、無為自閉などの陰性症状、認知能力等)との関係を調べています。


結果として、以下の内容が示されました。

①多遺伝子スコアが高いと症状の広がりや程度を示すスコアも高くなっていました。

②症状の中では、認知能力と 解体症状(思考がまとまらなくなる等)と遺伝子スコアの関連が認められました。


つまり、“遺伝子の特徴から計算される多遺伝子スコアは、症状の広がりや程度・解体症状・認知能力との関係が深い”ということです。


必ずしも、直接的な関係性ではないかもしれませんが、統合失調症の症状の少なくとも一部が、遺伝子の変異を背景として持っている可能性を示していると思われました。

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