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肥満・脳の構造変化・知能低下との関連


以前から肥満と知的機能低下との関連については示唆されてきました。

しかし、実際の脳の構造的変化や知的機能とのはっきりとした関連性については分からない状態です。

今回は肥満の程度を示すBMIと呼ばれる指標と脳の皮質厚、知的機能を示すテストの成績に関して調べた研究をご紹介します。

体格を示す指数(BMI)と脳の皮質厚、遂行機能の関連

まず、3190人の平均10.0歳の子どもたちにおいて高いBMIを示す場合、脳の皮質厚が薄い傾向がありました。

また、18の領域について脳の皮質の厚さを調べたところ、特に前頭前野と呼ばれる部分での皮質厚が薄くなっていました。

そして、様々な知的機能(中でも遂行機能)を調べるための検査を行ったところ、特にワーキングメモリという能力に関係するList Sorting Testで、脳の皮質厚にBMIと脳の皮質厚に関連する成績低下を認めました。

ワーキングメモリは作動記憶とも呼ばれ、日常生活の中で様々な活動を支えるごく短期の記憶(時々刻々の対応に使われる記憶)を意味します。

肥満と脳の構造変化、遂行機能との関連がどのようなしくみで生じるのかまでは分かりませんが、子どもの肥満について単に身体的問題としてではない視点で経過をみる必要性を感じました。

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