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胎生期の超音波検査所見が自閉症スペクトラム障害の発症と関連する


自閉症スペクトラム障害については、遺伝的要因が大きいことが示唆されていますが、出生前の身体的所見との関連についてはよく分かっていません。


今回は超音波検査で分かる身体的所見と自閉症スペクトラム障害の関連について調べた研究をご紹介します。


胎児の超音波所見と自閉症スペクトラム障害との関連


自閉症スペクトラム障害の児229人と、その兄弟姉妹で自閉症スペクトラム障害ではない児201人、定型発達の年齢をマッチさせた児229人が研究の対象となりました。


上記の対象者について、胎生期の超音波所見における異常に注目して、後向き(過去を振り返る)ケースコントロール研究と呼ばれる研究手法での比較を行いました。


結果として、以下のことが示されました。

①胎生期における超音波所見での異常は、自閉症スペクトラム29.3%、その兄弟姉妹15.9%、定型発達9.6%となっていました。

②複数臓器での以上の頻度をみると、自閉症スペクトラム7%、兄弟姉妹2%、定型発達0.9%でした(自閉症スペクトラムでの臓器別では泌尿器12.8%、心臓12.1%、頭部と脳6.1%)。


つまり、“自閉症スペクトラム障害の場合、胎生期における超音波所見に異常が認められることが、定型発達や兄弟(姉妹)よりも多い”と言えるかもしれません。


ダウン症では特有の顔貌や合併しやすい心疾患等が知られていますが、自閉症スペクトラム障害でも、(あまり明確ではないかたちで)身体的な合併症の頻度が上がるのかもしれません。


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