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脳内アミロイドの上昇は早期アルツハイマー病の指標となるか?


アルツハイマー病では“アミロイド”と呼ばれる物質が脳内に溜まることが知られています。


この物質に関連する治療として、無症候性のアルツハイマー病に対する抗アミロイド治療に関する研究 Anti-Amyloid Treatment in Asymptomatic Alzheimer disease:通称 A4 Study等、ごく早期のアルツハイマー病に対する治療法が研究されています。


特に早期にアルツハイマー病の兆候を発見し、治療を開始することが重要と言われており、治療法自体も重要ですが、いかにして早期に症状のない状態のアルツハイマー病を発見するかが課題となっています。


今回は、明らかな症状のないアルツハイマー病では、脳内のアミロイド濃度が有用ではないかという内容の論文を紹介させてください。


臨床的には異常のない高齢者におけるアミロイド負荷の上昇と諸要素との関連


脳内のアミロイド濃度を知るための画像: Amyloid PETが4,486人(平均71.29歳、59%女性)について得られました。


結果として、アミロイドの上昇があった人は29.5%でしたが、これらの人について以下のことが示されました。

①家族に認知症の病歴が多いこと、アルツハイマー病の指標となる物質(APOE ε4)に関する遺伝子変異が多いこと

②神経心理学的な検査結果における低下や、日常生活で自分や周囲の人が感じる認知能力の低下が大きいこと


以上のことから、脳内アミロイドの上昇は、まだ症状の出ていない段階のアルツハイマー病の発見に有用ではないかと思われます。


また、さらに早期のアルツハイマー病治療の効果を確かめるための対象を見定めるためにも使用できる可能性が示されました。


繰り返しになりますが、アルツハイマー病は明らかな症状の出ていない段階で治療を開始して、進行を防ぐことが非常に大切な疾患であるため、今回ご紹介したような疾患評価の方法が治療の有効性そのものを大きく左右する可能性があると感じました。


#認知症

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