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脳波の特徴で抗うつ薬や偽薬に対する反応を予測する

#うつ病 #抗うつ薬


最近、MRIを用いた機能的画像についての論文を目にすることが増えました。この手法では、形態的変化ばかりでなく、脳の働きが分かるため、その時点でも状態評価や経過の予測について可能性が広がっています。


しかし、MRIは比較的規模の大きな施設でしか設置が困難で、費用も高く、気軽に行える検査とは言い難いと思われます。


それに対して、脳の電気的活動を調べる脳波検査は比較的簡便で、クリニックでも実施可能であり、検査データの入手が容易であると言えます。


今回は、脳波検査を用いた脳の神経接続の特徴から抗うつ薬や偽薬への反応を予測できるかを調べた研究をご紹介します。


抗うつ薬と偽薬に対する反応を左右する脳皮質の接続を調節する因子


18歳~65歳のうつ病(未治療)に罹患した221人が調査の対象となりました。


脳波検査が施行された後、SSRIと呼ばれる種類の抗うつ薬と偽薬の投与が行われ、脳波による脳の接続パターンの分析と薬剤の効果に関する評価が行われました。


結果として、脳波の周波数のうち、アルファ領域と低周波数ガンマ領域の周波数帯で、特に頭頂葉における接続を強く認める場合には、偽薬に対する反応は強いけれども抗うつ薬の効果はあまり認めないことが分かりました。


上記のように、クリニック等で実施可能な(分析は通常より高度な方式が必要である)検査で、抗うつ薬の反応が予測できると今後の治療方針に活かせる可能性がとても高まるように思われました。


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