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自閉症で感覚の予測に変化は生じていない


自閉症スペクトラム障害の基本的な特徴として想像力(イマジネーション)の障害があると言われており、これは状況に関する予測にも影響を与え、日常生活に支障を及ぼしていると考えられてきました。


今回は、このような自閉症スペクトラム障害の特性が、感覚に関する予測と運動との連携にどのような影響をもたらしているのか調べた研究をご紹介します。


自閉症における予測による感覚運動制御


まずはより多くの一般的人口で認識と運動調整との関係を調べた実験1(92人)と、次に健常と自閉症との違いを調べた実験2(29人)を分けて行っています。


大きな物体は通常重いという予測、小さな物体は軽いという予測を生じさせ、通常はこれが指先の力にも反映されます。


結果として、健常者と自閉症との間に予測⇒感覚運動制御の過程に明らかな違いはなく、両方のグループとも運動制御は以前に持ち上げた物体の重さと見た目の大きさに左右されていました。


自閉症について、期待の持ち方や予測の仕組みに異常があるのではないかという考えは、今回の実験では確認できませんでした。


今後の研究により、どのような脳のしくみが日常生活の支障となって現れるのか、機能異常の背景が分かることで治療や介入の仕方のヒントが得られるのが望ましいと思われました。


#自閉症スペクトラム障害

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