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自閉症スペクトラム障害における感覚特性と脳の構造変化


自閉症スペクトラムにおいては視覚・聴覚・触覚・痛覚・嗅覚等の広い範囲にわたって、感覚特性(敏感や鈍感)が生じることがあります。


今回は自閉症スペクトラムの成人における感覚特性と脳の構造変化について調べた研究をご紹介します。


自閉症スペクトラム障害における感覚特性と脳の皮質厚・体積の関連


自閉症スペクトラム障害の成人43人と比較対照としての定型発達の成人84人が研究の対象となりました。


脳を64の部位に分け、皮質厚・体積と感覚特性(Adolescent/Adult Sensory Profile : AASPで評価)の関連を調べました。


結果として、以下の内容が示されました。

①視覚の過敏性と脳の舌状回における皮質厚に正の相関(一方が大きければ他方も大きい関係)を認めました。

②視覚刺激の回避傾向と右眼窩前頭の皮質厚 、味覚・嗅覚刺激回避傾向と海馬の体積には負の相関(一方が大きければ他方は小さい関係)を認めました。


つまり、“自閉症スペクトラム障害の感覚特性と脳の構造には、感覚の種類と脳の部位ごとに特有の相関があるかもしれない”と言えそうです。


自閉症スペクトラム障害では感覚の敏感さで悩む方が多いので、その背景について理解が深まることが期待される内容でした。

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