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自閉症スペクトラム障害には特有の脳構造変化のパターンがある


これまでに自閉症スペクトラム障害において脳の部位のうち、扁桃体の肥大が指摘されてきました。


今回は、自閉症スペクトラム障害と脆弱X症候群(発達遅延や知的障害を認める遺伝性疾患の1つ)で、発達早期に脳の部分がどのような変化をするのか調べた研究をご紹介します。


自閉症と脆弱X症候群における皮質下の脳発達


脆弱X症候群29人、後に自閉症スペクトラム障害(ASD)の診断をされた58人、自閉症スペクトラム障害の可能性は高いが診断はされていない212人、比較対照としての109人が研究の対象となりました。


6~24ヶ月のMRI画像を入手し、時間経過に伴う脳の部分構造の変化を調べました。


結果として、以下の内容が示されました。

①ASDでは生後12ヶ月までの扁桃体の成長が他のグループより大きく(Cohen’s d=0.56)、24ヶ月における社会的不適応が多いほど成長率は大きくなっていました。

②脆弱X症候群では、生後6ヶ月時点ですでに尾状核の増大が始まっており、これは24ヶ月まで続いていました(d=2.12)。そしては、これは反復行動の度合いと関連を示していました。


つまり、“発達障害では脳の部分構造の成長が通常の場合とは異なっており、自閉症スペクトラム障害と脆弱X症候群でも部分や時期で特徴があるかもしれない”と言えそうです。


生後2年以内の脳の部分構造の変化が、診断や症状の予測に役立つ可能性が考えられました。

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