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若い頃からの飲酒は脳の発達に影響を与えるか?


昨日は、若い年代でのアルコール多飲が、脳の神経線維に微細な影響を与えるかについて画像検査を用いて調べた研究をご紹介しました。


今回は、やや以前(2017年)の研究になりますが、若い年代における飲酒の程度に応じて、脳の粗大な発達にどのような影響を及ぼすのか調べた研究をご紹介します。


思春期の飲酒開始による脳の発達への影響


12~21歳の483人を対象とし、飲酒を始める前と飲酒開始後1年、2年の脳の構造的変化を調べました。


MRIによる画像的評価で脳の灰白質と白質の体積を調べ、その発達の軌跡を比較しました。


結果として、以下の内容が示されました。

①飲酒をほとんどしない人では、(この年代における通常の発達通りに)灰白質が減少し、白質の体積が増加していました。

②多量の飲酒を開始した人では、灰白質の減少が加速し、通常の発達とは異なっていました。

③飲酒を開始しても、量の少なかった人では、脳の発達は通常通りでした。


つまり、若い年代からたくさんお酒を飲むようになった人では、脳の発達そのものが通常とは異なる軌跡を描くことが示されました。


若い年代からの多量飲酒は脳の構造的変化を来すことから、長期的に様々な影響(認知機能の低下や精神症状の出現等)があり得ると推測されました。

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