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薬物による精神症状が統合失調症となる場合について


教科書的には薬物によって誘発された精神症状と、統合失調症とは本質的に異なるものとして扱い、経過も異なるというイメージがあります。


しかし、実際には薬物依存から統合失調症類似の病態に移行する場合も多く経験します。


今回はこの「薬物誘発の精神症状⇒統合失調症」の移行がどのくらい起こるのか、起こりやすい条件について調べた研究(メタ・アナリシス)をご紹介します。


物質誘発性・短期・非定型の精神病症状から統合失調症への移行


系統的な検索とレビューを行い、40,783人の参加者を含む、50の研究が分析の対象となりました。


結果として以下の内容が示されました。

①物質誘発性障害から統合失調症への移行は25%だった。

②移行の多い薬物として大麻(34%)、幻覚剤(26%)、覚醒剤(22%)があり、逆にオピオイド、アルコール、鎮静剤では少なかった。


以上のことから考えると、薬物使用による幻覚や妄想等の精神病症状は一過性で終わることも多いが、特に大麻・幻覚剤・覚せい剤による場合は、統合失調症への移行について経過を注意深くみていく必要性が高いと思われました。


#統合失調症 #薬物依存

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