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血漿中タウ217でアルツハイマー病が正確に診断できる?


アルツハイマー病では特に神経細胞外にアミロイド蛋白、神経細胞内にタウ蛋白と言われる物質が蓄積することが知られています。


現在まで、様々な物質についてアルツハイマー病の診断に利用できないか、脊髄液・血液(血漿)や脳の画像を用いて調べられてきました。


より手軽に、より正確に診断できるようにならないと、診断法として広まらないので様々な物質や手段について検証が続けられています。


今回は、少し前の記事になりますが、血漿中のリン酸化タウ217(以下Pタウ217)が今までの尺度よりも正確で、脊髄液や高度な画像診断とほぼ同様の結果を得られるのではないかという内容の研究をご紹介します。


Pタウ217のアルツハイマー病診断における正確性の比較


1402人の参加者を含む、3つのコホート(研究対象の集団)に関する研究です。


ポイントは2つで、①従来の客観的診断法(バイオマーカー)より優れているか? ②同じタウ蛋白について、脊髄液やPETを用いた負担の多い方法と比較して遜色ないか? ということになります。


結果として、それぞれの集団で違いがあるものの、①の点に関して、Pタウ181やニューロフィラメント軽鎖といった従来の物質を尺度とするよりも正確で、②に関しても、大きな相違がないことが分かりました。


実用に耐えるようになるためには、よい広い範囲のさまざまな集団で検証が必要かもしれませんが、現在広く行われている病歴・臨床所見・画像による診断に、より客観的で用いやすい尺度が加わることは、臨床上非常に有益だと思われました。


#アルツハイマー病


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