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躁うつのうつ状態に効く薬剤の臨床試験の結果


双極性感情障害(躁うつ病)のうつ状態については、抗うつ薬が効きにくいのではないか、あるいは効いたとしても躁に転じる可能性があって病気の状態を不安定にしてしまうのではないかという意見があります。


今回は、双極性感情障害(躁うつ)のうつ状態に比較的効果の大きいとされている薬剤(抗精神病薬のルマテペロン)の臨床試験結果についてご紹介します。


双極性Ⅰ型・Ⅱ型のうつ状態に対するルマテペロンの有効性と安全性


双極性I型かⅡ型の診断を受けている18~75歳の参加者(現在うつ状態)を対象として、ルマテペロンを投与するグループ(188人)と偽薬を投与するグループ(189人)に分けました。


ルマテペロンのグループには実薬を1日に42mg1回投与し、偽薬を投与するグループとともに、うつ症状の代表的な評価尺度であるMADRS等を用いて投与開始からの症状の変化を調べました。


結果として以下の内容が示されました。

①43日後の経過で、ルマテペロンを投与したグループでは、偽薬よりも大きな改善を認めていました。(MASRSで-4.6点の変化。イフェクトサイズは-0.56で大きめの効果)

②副作用で多かったのは眠気と吐き気等で、いずれも軽度であり、体重変化や内分泌異常は認められなかった。


つまり、“ルマテペロンは躁うつに認めるうつ状態に対して効果が大きく、副作用は少ない薬剤である”と言えそうです。


現在双極性感情障害に使われている抗精神病薬の中では、オランザピンのように体重増加が懸念される薬剤もあり、そのような副作用が少ない点はメリットが大きいと考えられました。



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