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遠隔での社会リズム療法で双極性障害の自殺傾向が軽減するか?

更新日:2022年2月4日


対人関係と社会活動のリズムを調整する心理療法:interpersonal and social rhythm therapy (IPSRT) が、双極性感情障害に有効であることは以前から示されてきました。


今回は、活動のリズムを調整する心理療法(SRT)を、主に遠隔で行って参加者の満足度や有効性を確認した研究をご紹介します。


双極性感情障害の若者に対する気分症状と自殺リスク軽減を目的とした遠隔社会リズム療法


双極性感情障害(うつ症状はハミルトンうつ病尺度29項目で15点以上、躁症状はヤング躁病尺度で12点以上)に罹患した13人(平均20.5歳)が研究の対象となりました。


活動のリズムに関するセッションを12回(9回は遠隔、3回は対面)で行い、満足度や信頼感、自殺傾向などに関して調べました。


結果として、以下の内容が示されました。

①13人のうち10人がすべてのセッションを終えて、満足度は“非常に満足 excellent”と答えていました。

②参加者全体で活動リズムの改善、うつや躁症状の改善、自殺傾向の軽減を示していました(効果量としては中間~大きい)。


つまり、“遠隔で行う活動リズムを整える心理療法でも、双極性感情障害に対して生活や自殺傾向に大きな改善効果をもたらすかもしれない”と言えそうです。


双極性感情障害では、気分や活動性が乱高下することが知られていますが、活動性をできるだけ一定に保つ働きかけやモニタリングの仕組みが重要であると思われました。

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