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遠隔精神医療の行い方による効果の違いがあるか?


アメリカにおける遠隔での精神医療の提供方法には以下の2通りの方法があるようです。

a. いつもの主治医(内科医等がなっているケースが多いと思われます)が、精神科医のアドバイスを受けて処方などを行う方法

b. 精神科医やカウンセラーが、遠隔で直接処方するしたり、心理療法を提供する方法


以上の2通りの方法について、効果を検討した研究をご紹介します。


精神障害治療における遠隔統合治療と遠隔共同治療の比較


精神科医やカウンセラーによる医療が提供されていない地域に住む、双極性障害や心的外傷後ストレス障害に罹患した1,004人が対象となりました。


508人を上記のa (プライマリ・ケア医を通して治療:統合治療)、496人をb (遠隔で精神科医・カウンセラーが治療:共同治療)に割り当てて、12ヶ月間の症状の変化を調べました。


結果として、以下の内容が示されました。

①統合治療も、共同治療も、遠隔治療の両方が1年後に臨床的に意味のある治療の効果をあげていた。(コーエンのdと呼ばれる効果の量を示す指標でそれぞれ、0.81と0.90:かなりおおきめの効果)

②統合治療と共同治療の差は大きくなく、どちらが優れているという、意味のある差はなかった。


つまり、“プライマリ・ケア医を通した治療でも、直接の連絡を用いたやり方でも、精神医療の遠隔的方法には意味がある”と言えそうです。


論文の中で触れられているのですが、統合治療の方が治療に必要な時間は短い傾向があることを考えると、限られた時間の中でできるだけ大きな効果を上げるように工夫するためには、統合的やり方が望ましいことも示されていました。

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