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音楽でせん妄が軽減するか?


認知症や手術後などに生じやすい一過性の意識障害(+精神症状)に、“せん妄”と呼ばれる病態があります。


特に急に環境が変化した際に生じやすくそれまでの人格や活動性とは大きく変化し、興奮や低活動を認めるため、適応を顕著に阻害します。


今回は集中治療室で認められるせん妄に音楽を聞いてもらうことが有効か調べた研究をご紹介します。


音楽を用いたせん妄軽減について


様々な理由で集中治療室に入室している患者52人をランダムに、以下の3つのグループに分けました。


①自分で選んだ音楽リストを聴く

②スローテンポの音楽リストを聴く

③注意コントロール(しばしば他の治療との比較対象に用いられる方法)を行う


音楽を聴く場合は、mp3プレーヤーとノイズキャンセリングのヘッドホンを用いて、1日に2回、7日間継続しました。


結果として、スローテンポの音楽を聴いたグループで、せん妄を認めた日数と重症度に、やや軽減を認めていましたが(例として重症度が注意コントロールと比較して中央値が、4⇒3.5)、全体としてあまりはっきりとした結果は得られていません。


この研究は先行研究の意味合いがあるようなので、今後もっと研究のデザインが変更されて、明らかな結果を生む可能性があると思われました。


また、参加者は音楽を聴くことを楽しみにしていた方が多いようなので、それが治療的に働くならば、導入しやすい予防(治療)法であると感じました。


#せん妄

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