昨日は、がんに関連した精神的苦痛に対する、シロシビンの効果についてお伝えしました。
今回は、シロシビンのうつ病に対する効果について長期的効果を調べた研究をご紹介します。
シロシビンのうつ病に対する有効性と安全性
21~75歳の単極性うつ(中等度~重度:GRID-Hamilton Depression Rating Scale 17以上)に罹患した27人が研究の対象となりました。
上記の対象者を8週間の期間をおいた2つの治療グループに分け、それぞれについてシロシビン投与+支持的精神療法(傾聴を中心とした対応)を行い、待機グループとの比較を行いました。
結果として、以下のことが示されました。
①治療後の12ヶ月にわたって、うつ症状の明らかな軽減が持続していました。
②12ヶ月後の治療反応率(半分以上の症状軽減)は75%、寛解率は58%となっていました。
③シロシビン投与に関連すると思われる重大な副作用はありませんでした。
つまり、“シロシビンは中等度以上のうつ病に対して明らかな効果を認め、それは1年以上持続する可能性がある”と言えるかもしれません。
“マジックマッシュルーム(幻覚剤)”というイメージがあり、使用には抵抗感が生じるかもしれませんが、通常の薬剤での効果が認められなかったときの選択肢として有効性が期待される内容でした。
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