うつ病やうつ状態が良くなった後に、「薬をやめてみましょうか(ゆっくりやめていきましょうか)?」と言われる場合と「ずっと薬は飲み続けて方が良いですよ。」と言われる場合があると思います。
今回は、薬をずっと続けた場合と、薬は減らしていく+心理療法(認知療法)で、違いがあるのか調べた研究を統合した結果(メタアナリシス)をご紹介します。
An Individual Participant Data Meta-analysis
うつ病の再発予防に関する比較 抗うつ薬の継続 対 心理療法の後続
714人の参加者(平均49.2歳)を含む4つのランダム化比較試験(RCT)が分析の対象となりました。
抗うつ薬のみを継続した場合と、抗うつ薬を減薬しながら心理療法(認知療法やマインドフルネスをベースとした認知療法)を加えた場合を比較しました。
結果として、再発までの時間を比較したハザード比で、薬物療法の継続は0.86と、あまり大きな差を認めませんでした。
他の関係ありそうな条件、発症の年齢、寛解の期間、残存症状の程度は再燃(再発)の可能性を高めていましたが、今回の比較には影響を与えていませんでした。
つまり、“薬をずっと続けても、減らしながら心理療法をやってもそれほど大きな差はない”ということが言えそうです。
しかし、“心理療法”がほとんど行われていない日本では、上の研究結果が当てはまらない可能性も高く、少しでも再燃の可能性を減らすことを考えると、(少なくとも再燃を繰り返している場合は)なるべく慎重に減薬を行ったほうが良いと思われました。
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