top of page

うつ病(特に自殺願望を伴う)と神経の炎症


以前からうつ病と炎症との関連が示されて来ました。炎症は通常、末梢の血液中の検査値を参考に判断されますが、今回は神経の炎症をPET(ポジトロン断層法)画像で調べた研究をご紹介します。


うつ病の前帯状皮質におけるトランスロケイター・プロテインの上昇、自殺願望(希死念慮)における炎症の働き:ポジトロン断層法による研究


かなり以前(2017)の研究になります。少なくとも中等度以上のうつ病に罹患されている患者さん(薬剤の服用なし)14人と比較対照のための健常者13人が調査の対象となりました。


トランスロケイター・プロテインという神経の炎症が分かる指標をポジトロン断層法で調べました。


結果として、以下の内容が示されました。

①特に前帯状皮質という脳の部位で特に大きな炎症を示す指標の上昇がありました。

②事後の分析では、自殺願望(希死念慮)がある場合に、前帯状皮質や島(insula)で炎症の指標が高くなっていました。


つまり、うつ病や特に自殺願望(希死念慮)がある場合では、神経の炎症が起こっている可能性が高いという内容が示されました。


これが結果なのか、原因なのか、どのようなしくみで起こっていることなのかは分かりませんが、炎症とうつ病との関連を示す一つの証拠として考えられました。


また、今後しくみまで分かった場合には、炎症に直接アプローチすることにより、うつ病が大きく改善する可能性が考えられ、希望を感じさせる内容でした。


#うつ病

閲覧数:120回0件のコメント

最新記事

すべて表示
bottom of page